親から相続した実家がゴミ屋敷だった。自分たちが住む予定もなく固定資産税などの維持費もかかるためできるだけ早く「売却」したい。そう考える方は少なくありません。しかしゴミ屋敷を片付け売却に至るまでにはいくつかの段階的なステップと注意すべきポイントが存在します。まず第一のステップは「相続登記」です。家を売却するためにはその不動産の名義を亡くなった親から相続人である自分たちの名義に変更する手続きが必要です。これは法務局に申請を行うもので司法書士に依頼するのが一般的です。この相続登記が完了しなければ売却活動を始めることはできません。次に第二のステップが最大の難関である「ゴミの撤去」と「清掃」です。ゴミ屋敷の状態のままでは買い手はまず現れません。専門の遺品整理業者などに依頼し家の中の物を全て撤去しハウスクリーニングで徹底的にきれいにします。この時家の中に残された貴重品や思い出の品をどうするかも相続人同士で話し合っておく必要があります。そして第三のステップが「不動産会社への売却査定依頼」です。家がきれいになった状態で複数の不動産会社に査定を依頼しその家の適正な市場価値を把握します。そして最も信頼でき高く売ってくれそうな会社と媒介契約を結び売却活動をスタートさせます。ここで注意すべきなのが「家の状態を正直に伝える」ことです。ゴミ屋敷だった過去やもし孤独死などがあった場合は「告知義務」としてその事実を不動産会社そして買い主に対して正直に伝えなければなりません。これを隠して売却した場合後で契約不適合責任を問われ損害賠償や契約解除といった深刻なトラブルに発展する可能性があります。ゴミ屋敷の売却は確かに困難な道のりです。しかし一つ一つのステップを専門家の助けを借りながら誠実にそして着実に進めていくことで負の遺産を未来への資産へと変えることができるのです。
相続したゴミ屋敷!片付けから売却までの道