かつて私は、自分の部屋の風呂場をゴミで埋め尽くした「ゴミ屋敷の住人」でした。今でこそプロの清掃員として現場を回っていますが、その原動力は当時の自分自身の惨めな経験と、そこから救い出されたときの感動にあります。私の部屋の風呂場は、数年分の雑誌と衣類で埋まり、浴槽の底がどこにあるのかも分からない状態でした。当時はそれを「ただの片付けが苦手な性格」だと思い込もうとしていましたが、実際には社会での失敗による重度のうつ状態にありました。ある日、実家の兄弟が無理やり部屋に入り、専門の清掃業者を呼びました。作業員の方々は、私の風呂場から出てくる真っ黒な水や、無数の害虫を見ても顔色一つ変えず、ただ黙々と、かつ丁寧に作業を進めてくれました。彼らが最後に風呂場のタイルを磨き上げ、シャワーのヘッドをピカピカにしてくれたとき、私の心の中にあった分厚い雲が、一気に晴れていくのを感じました。「また、ここから始めればいいんだよ」という作業員の何気ない一言が、私の人生を変えました。それから私は、自分と同じようにゴミの中で苦しんでいる人を一人でも多く救いたいと考え、この業界に飛び込みました。プロになって分かったのは、風呂場の清掃こそが住人の心を最も劇的に変える力を持っているということです。他の部屋はまだ散らかっていても、風呂場が綺麗になれば、人は自分の体を清め、明日を生きるエネルギーを補給することができます。私は現場で風呂場を磨くとき、当時の自分自身を磨いているような気持ちになります。落ちない汚れに苦戦することもありますが、その先にある住人の笑顔を見れば、すべての苦労は報われます。ゴミ屋敷の風呂場を綺麗にすることは、物理的な作業を越えた、魂の再起動だと私は信じています。もしあなたが今、ゴミに埋もれた風呂場の前で途方に暮れているなら、恥ずかしがらずに私たちに声をかけてください。その一歩が、あなたの人生を輝かせるための大切な始まりになるはずです。