自分の部屋を片付けようと決意したものの、どこから手をつけていいか分からず、結局何もせずに一日が終わってしまう。そんな「汚部屋」からの脱出を目指す人に、私がアドバイスしたいのは、まず最強の装備を整えることです。その筆頭に挙がるのが軍手です。汚部屋の片付けが進まない大きな理由の一つに、心理的な抵抗感があります。「触りたくない」「汚い」という感情が、体を動かすブレーキになっているのです。ここで、高品質な滑り止め付きの軍手を導入してみてください。それだけで、汚れた物を「物」として客観的に扱えるようになります。軍手を選ぶ際の心得として、ケチらずに大量に用意することが重要です。ゴミ屋敷状態の部屋を掃除すると、軍手はすぐに真っ黒になります。その汚れた軍手で他の場所に触れると、汚れを広げてしまうことになります。ですから、汚れたら未練なく捨て、新しい軍手に取り替えるというサイクルを作ってください。これが、掃除のスピードを上げる秘訣です。また、軍手をはめるという行為自体が、脳にとっての「作業開始スイッチ」になります。スポーツ選手がユニフォームを着るように、軍手をはめることで日常から清掃モードへと精神を切り替えるのです。掃除の心得として、最初は軍手を汚すことだけを目標にしても構いません。一双の軍手が真っ黒になるまで作業を続けたら、その日は自分を褒めてあげましょう。ゴミ屋敷の改善は、完璧主義を捨てることから始まります。最初から家中をピカピカにしようと思わず、まずは軍手が一双ダメになるまでゴミを袋に詰める。その積み重ねが、やがて床を見せ、窓を開けられる状態へと導いてくれます。軍手はあなたの手の一部となり、汚れから守るだけでなく、困難な状況に立ち向かう勇気を与えてくれるパートナーです。もし、途中でやる気が失せそうになったら、予備の新しい軍手を眺めてみてください。その真っ白な布地は、あなたの部屋が将来取り戻す清潔感の象徴でもあります。適切な道具と少しの心得があれば、どんなゴミ屋敷からでも必ず脱出できる道は拓かれています。